1 目的
この指針は、特別養護老人ホーム(以下「施設」という。)の入所に関する基準を明示すること により、入所決定過程の透明性・公平性を確保するとともに、入所必要性の高い者が円滑に入所できることを目的とする。
2 入所対象者
入所対象者は、介護保険法に定める介護認定審査会において要介護1~5と認定された者のうち、常時介護を必要とし、かつ居宅において介護を受けることが困難な者とする。
3 入所申込みの方法及び状況把握
(1)施設への申込みは、 入所申込書(様式1) によって行うものとする。
(2)施設は、入所申込者の状況を面談等の方法によって把握し、調査票を作成する。
4 入所検討委員会
(1)施設は、入所決定に係る事務を処理するため、入所検討委員会(以下「委員会」という。)を設置しなければならない。
(2)委員会は、施設長、生活相談員、介護職員、看護職員、介護支援専門員等の施設職員と施設外の第三者で構成するものとする。
(3)委員会は、入所評価基準に基づき、次のとおり入所必要性の評価を行い、入所申込者の優先順位を決定する。
ア 入所必要性の評価
評価は次の項目ごとに点数化し、評価票に整理する。
(ア)本人の状況
(イ)介護サービス等の利用状況
(ウ)介護者等の状況
(エ)特記事項
イ 入所優先順位名簿
評価合計点数の高い順に、入所優先順位名簿(以下「名簿」という。)を作成する。名簿は毎年2回、4月1日及び10月1日現在でそれぞれ作成するものとする。
なお、委員会が必要と認めた場合は、年3回以上名簿の作成を行うものとすることができる。
(4)委員会は、審議の内容を議事録としてまとめ、これを2年間保管しなければならない。
また、市町村又は県から求めがあった場合には、上記の議事録を提出しなければならない。
(5)委員会の構成員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
5 入所者の決定
(1)施設は、委員会が作成した名簿により入所者を決定する。
(2)入所申込者が次のア又はイに該当する場合は、委員会は名簿によらず、入所を決定することができる。
ア 緊急性
(ア)介護者による虐待・介護放棄が認められ、緊急の保護を要する場合
(イ)災害時
(ウ)在宅復帰、又は長期入院した者について再入所が必要と認められる場合
(エ)その他、特段の緊急性が認められる場合
イ 老人福祉法第11条に定める措置委託による場合
(3)施設は、次の事情がある場合は、入所優先順位を変更することができる。この場合は次の委員会に報告し、承認を得なければならない。
ア 部屋単位の男女別構成により入所が困難な場合
イ 認知症専門床等ベッドの特性により入所が困難な場合
ウ その他、適切な処遇の確保ができない恐れのある場合
(4)入所申込者が自己都合(入院等やむを得ない場合を除く。)により入所を辞退した場合は、名簿からの削除を行う。なお、名簿から削除された者が入所を再度希望する場合は、改めて申込手続きを行わなければならない。
6 適正運用
(1)施設は、この指針に基づき適正に決定を行うものとする。
(2)施設は、申込者及び家族に対して入所優先順位決定方法等について十分に説明を行わなければならない。
(3)県及び関係市町村は、この指針の適正な運用について、施設に対し必要な助言を行うものとする。
7 その他
(1)市町村及び関係団体等が、各市町村に在する施設を対象として、この入所指針と同様の趣旨で指針を作成する場合は、これを尊重する。
(2)旧措置待機者(要介護1以上の者に限る。)で入所を希望する者は、入所指針に従って入所申込みを行い、名簿の上位に置くこととする。但し、入所が可能になったにもかかわらず入所を辞退した場合は、以後、旧措置待機者として取り扱わない。
(3)この入所指針は、必要に応じて見直すものとする。その場合は、県、市町村及び福岡県老人福祉施設協議会の三者で協議するものとする。
(4)この入所指針は、平成15年1月1日から適用する。施設は、その運用を平成15年4月1日までに開始するものとする。